おしゃれで個性的な急須作家たちが生み出す作品の魅力をお伝えするこの記事。陶器やガラスなど使われている素材も幅広く、さまざまなデザインの急須たちが登場します。どんな急須を選ぶかは、好みや使い方によって異なりますが、選ぶ際に気をつけるべきポイントやおしゃれな急須の楽しみ方についても詳しくご紹介していきます。
お茶の時間をさらに豊かで楽しいものにしてくれる、個性あふれる急須たちに注目してみませんか?日本茶を楽しむ際に急須は欠かせないアイテム。特に、作家が手掛けるおしゃれな急須は、機能性とデザイン性を兼ね備えており、ティータイムをより豊かに彩ってくれますよ。

急須の選び方|作家急須を選ぶ際のポイント
1. 素材で選ぶ(陶器・磁器・ガラス)
急須の素材には、陶器、磁器、ガラスなどがあります。それぞれの素材の特徴を理解することで、自分の用途や好みに合った急須を選ぶことができます。
陶器製
陶器製の急須は、保温性が高く、茶葉の旨みをじっくり引き出すことができます。常滑焼や美濃焼、萩焼などの伝統的な焼き物があり、使い込むほどに風合いが増すのも魅力です。特に常滑焼は、朱泥の土が茶葉の渋みを和らげ、まろやかな味わいを引き出す効果があります。
磁器製
磁器製の急須は、表面がなめらかで茶渋がつきにくく、香りが移りにくいのが特徴です。有田焼や九谷焼など、美しい絵付けが施された急須も多く、見た目の華やかさを楽しみたい方におすすめです。耐久性も高く、日常的に使いやすいのが魅力です。

ガラス製
ガラス製の急須は、透明なため、お茶の色を楽しめるのが特徴です。玉露やハーブティーにも適しており、モダンなデザインが多いのも魅力。特に吹きガラスの急須は一点一点手作りされており、温かみのあるデザインが人気です。
2. 形状で選ぶ(横手型・後手型・平型)
急須の形状は大きく分けて「横手型」「後手型」「平型」があります。それぞれ使い勝手や見た目の印象が異なるため、用途に合わせて選ぶことが大切です。
横手型
横手型の急須は、日本の伝統的な形状で、持ち手が横に付いています。片手で持ちやすく、注ぐ際に手首の負担が少ないのが特徴です。日常的に日本茶を楽しみたい方には、このタイプの急須がおすすめです。
後手型
後手型の急須は、持ち手が後ろについているタイプで、西洋のティーポットに近い形状をしています。デザイン性が高く、和洋どちらのインテリアにも馴染みやすいのが魅力です。日本茶だけでなく、紅茶や中国茶なども楽しみたい方に適しています。
また、利き手を問わず使用できるので、左利きの方も注目してみてください。
平型
平型の急須は、広口で底が浅い形状が特徴で、茶葉がしっかり広がるため、旨みを最大限に引き出せるのがメリットです。玉露や高級茶をじっくり楽しみたい方に最適で、茶葉の品質を存分に味わうことができます。

3. 茶こしの種類で選ぶ(帯網・底網・金属茶こし)
茶こしの種類によって、お茶の抽出のしやすさや手入れのしやすさが異なります。
帯網(全面網)
帯網(全面網)の急須は、急須の内側全面に茶こしがついており、目詰まりしにくいのが特徴です。細かい茶葉でもスムーズに注ぐことができるため、初心者にもおすすめです。また、洗いやすくお手入れが簡単なのもポイントです。
使用後は急須にお茶が残らないので、次に淹れた際にも美味しいお茶が楽しめます。
底網
底網の急須は、急須の底部分に茶こしが設置されており、お茶を最後までしっかり注ぐことができるのが特徴です。香りの良いお茶を楽しむのに適しており、茶葉が開くスペースが確保されるため、しっかりとした味わいが楽しめます。
ただし、お茶を少量淹れる際には注意が必要。お湯が行き渡らず、成分が出にくいこともあるので留意しておきましょう。
平網
平網の急須は、急須の注ぎ口を覆うように網が張られているタイプ。もっとも一般的な急須の網として知られており、製品のラインナップも豊富に展開されています。好みに合う急須を選びやすい点でもおすすめです。
また、お茶が注ぎやすく、使い勝手にも優れている点もメリットです。
ささめ
ささめの急須は、注ぎ口に直接穴があいているタイプ。他の茶こしに比べると網目が大きく、茶葉が目詰まりしやすい点には注意しましょう。使用後のお手入れで洗う際は、しっかりと茶葉を落とすのがポイントです。

おすすめの作家急須
山田想 青急須 SOY-433
山田想氏の「青急須(SOY-433)」は、常滑焼の伝統技法と現代的なデザインが融合した逸品です。美しい青色の釉薬が施されたこの急須は、シンプルながらも洗練されたフォルムが特徴で、和洋問わずさまざまな食卓に調和します。
容量は約160ccで、1人分のお茶を淹れるのに適したサイズです。持ち手や注ぎ口のバランスが良く、注ぎやすさと使い心地の良さが追求されています。贈り物やコレクションとしても最適です。
山田氏の作品は、伝統的な技法を守りつつも独自の感性で現代的な急須を制作しており、その品質とデザイン性から高い評価を受けています。この青急須もその一例であり、日常のティータイムをより豊かに彩ることでしょう。
弘二 11号朱長丸飛鉋印籠蓋急須
常滑焼の伝統工芸士が手掛けた「朱長丸飛鉋印籠蓋急須」は、伝統技法と現代的なデザインが融合した逸品です。
この急須は容量約180mlで、サイズは約10×12×10cmとなっています。ドーム型の陶茶こしは職人が1つ1つ丁寧に穴をあけており、高い品質が期待できます。
自宅で使用する場合はもちろん、贈り物としても喜ばれる急須としておすすめです。
鯉江桂吉作 金彩赤粒急須
鯉江桂吉氏による「常滑焼 金彩赤粒急須」は、伝統的な常滑焼の技法を活かしながら、作家ならではの繊細な美意識が光る一品です。黒をベースに金彩が映える外観が魅力。光沢のある赤粒模様は、黒冶金との色合いバランスが絶妙で、落ち着きを感じる見た目を実現しています。
持ち手は太めで、フタのつまみも大きめ。急須全体のバランスがよく、注ぎ口は尻漏れしにくい形状を採用しています。
渡辺敏史作 洋ナシ型後手急須(大) うぐいす 高山陶園
「洋ナシ型後手急須(大) うぐいす」は、作家の渡辺敏史氏による美しいフォルムの急須です。この急須は、その名の通り洋ナシを思わせる丸みを帯びた形状が特徴で、シンプルながらも上品な佇まいを持っています。
釉薬の色合いは「うぐいす」と名付けられた深みのある落ち着いた緑色で、和の空間にはもちろん、モダンな食卓にも自然に溶け込みます。手作りならではの柔らかな質感と独特の風合いがあり、一つひとつ異なる個性を楽しめるのも魅力の一つです。
後手型の取っ手は持ちやすく、注ぐ際のバランスもよいので、日常使いにも適しています。また、茶こし部分は実用性に優れ、細かい茶葉もしっかりとキャッチしながら、スムーズにお茶を注ぐことができます。容量も十分で、複数人でお茶を楽しむ際にも活躍します。
藤田徳太作 常滑焼 飛鉋急須
常滑焼 藤田徳太作 飛鉋急須は、伝統的な常滑焼の技法を活かした美しい急須です。「飛鉋(とびかんな)」とは、ろくろを回しながら鉋(かんな)をあてることで、表面にリズミカルな模様をつける技法を指します。この急須にも飛鉋の模様が施されており、職人の技術の高さが感じられる仕上がりとなっています。
藤田徳太氏によるこの急須は、手作りならではの温かみと実用性を兼ね備えています。常滑焼の特徴で黒土を使用しており、土本来が持つ素朴な雰囲気も楽しめます。
常滑焼 藤田徳太作 つば二段 ささめ 急須 300cc Y88
常滑焼 藤田徳太作 つば二段 ささめ 急須 300cc Y88は、愛知県常滑市の陶芸家、藤田徳太氏が手掛けた急須です。常滑焼は日本六古窯の一つとして知られ、その伝統と技術が詰まった作品です。
この急須の特徴は、容量が300ccと家庭での使用に適したサイズであることです。また、「ささめ」と呼ばれる陶製の茶こしが内蔵されており、茶葉の旨味をしっかりと引き出します。陶製の茶こしは金属臭がなく、お茶本来の風味を損なわないため、茶商やお茶愛好家から高い評価を受けています。
藤田徳太氏は、昭和50年に福岡県北九州市で生まれ、常滑市立陶芸研究所で荒木俊雄氏に師事しました。日展や日本現代工芸美術展などに多数入選し、全国のギャラリーで個展を開催するなど、その技術と感性は高く評価されています。現在は常滑市に在住し、精力的に作品を制作しています。
この急須は、伝統的な技法と現代的なデザインが融合した逸品であり、日常のティータイムをより豊かに彩ることでしょう。
千葉光広 灰釉ポット(大)
千葉光広氏の「灰釉ポット(大)」は、常滑焼の伝統技法と現代的なデザインが融合した優れた作品です。コロンとした丸みを帯びたフォルムは、お湯の対流を促進し、お茶の旨味を引き出す設計となっています。
灰釉が施された表面は、淡い青緑色に発色し、使い込むほどに風合いを増すのが特徴です。容量は520ccとたっぷりしており、複数人でのお茶の時間にも最適です。シンプルで洗練されたデザインは、和洋問わずさまざまな食卓に馴染み、長く愛用できる一品となるでしょう。
まとめ
急須選びの際は、素材・形状・茶こしの種類を意識し、自分のライフスタイルやお茶の好みに合ったものを選びましょう。
今回ご紹介した急須はすべて作家が手掛けたもののみを厳選していますので、ぜひお気に入りの一品を見つけてください!
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